サッカービジネスの第一歩を踏み出す〜FC琉球の挑戦〜

サッカーを柱にした、”サッカー高校”の開校が2018年4月から始まる。
その名も”FC琉球高等学院”
学校経営はプロサッカークラブFC琉球。Jリーグ1部経験はないがJ2昇格を目指して、現在J3で戦っている。
元ガンバ大阪で代表経験のあるFW播戸竜二も所属していることで有名。
そんなFC琉球が取り組む、新しいスポーツ教育ビジネスの形とは?
FC琉球社長 倉林啓士郎 氏
学院長 李 済華 氏(リ・ジェファ)
FC琉球 GM・U-18監督であり、國學院久我山高校サッカー部 総監督も務める。
Jリーグアドバイザー 堀江貴文 氏
の上記3名による対談をまとめた。
ユースの試合は応援に来る人が少ない。
「高校サッカーは基本的には体育会系。ドラマやストーリーがある。
ユースにはなかなかドラマ性が生まれづらいので、ユースにもうまくドラマ性を与えられる環境になれば」と李 済華 氏は言う。
だが、高校サッカーの試合は大いに盛り上がる。
そして高校生の試合は時に、トップチームの試合より観客動員数を上回るのだが、その理由は何なのか?
それは、「同級生というつながりが動員の大きな理由になっている。」と堀江氏は言う。
ユース選手も高校に通っているが、高校サッカー部に比べて日程の問題や前述したドラマ・ストーリーの面で動員を掴みづらい。
この辺りがユースの試合が盛り上がらない原因である。
そんな問題をも解決する面白い取り組みがプロチームが運営するFC琉球高等学院という存在だ。
”ユース高校”をつくって”高校サッカー”にしてしまえば全国高校サッカー選手権に参加できる。
トップチーム経営なので、サッカー選手を目指すにはうってつけ。
”高校とJリーグが一体化”することによってユースの問題を解決できる。
これについて「うまくいけば他のチームがみんな真似をする」と堀江氏は言う。
そして沖縄という地を生かし、「マリンスポーツ全ての資格も取れるようにサッカーだけではなく様々な経験を身につけて3年後卒業時には面白い将来が開けるようにバックアップする」と 李 済華 氏。
これについては堀江氏も「ただただ学校に通ってしまっている人は多いと思うが、マリンスポーツ資格があってサッカー出来る人材は”面白い”と思う」と唸る。
取り組みを思いついたきっかけ
「15年ほどの歴史のあるFC琉球ではあるが、やはりどのチームも抱える問題としてチーム経営は難しく”平均予算3億円”を集めるのは容易ではない。一昨年2億円しか集まらなかったため、1億円の赤字という状況」
「収益としては、スポンサー企業を増やす、自治体行政との事業取り組みで、スポンサーは増えてきているがもう少し足りない。」
「他企業頼りだけではなく、自チームとしての収益サイクルを作るために動いた。」
「そこでカリキュラムの確保と校舎の確保がうまくいき、Jリーグチームの事業としての取り組みにはユニークではないかということで始めたのがきっかけ」と社長である倉林 啓士郎氏は言う。
日本サッカーの発展とサッカービジネスの新たな形として大いに期待したい。
対談の様子
FC琉球高等学院 http://fcryukyu-gakuin.jp/
FC琉球公式サイト http://fcryukyu.com/